羞恥に頬を染めているためにいっそうはなやかに、
愛嬌がこぼれるように見える尚侍も
涙を流しているのを御覧になると、
どんな罪も許すに余りあるように思召されて、
御愛情がそのほうへ傾くばかりであった。
「なぜあなたに子供ができないのだろう。残念だね。
前生の縁の深い人とあなたの中にはすぐにまた
その悦《よろこ》びをする日もあるだろうと思うとくやしい。
それでも気の毒だね、親王を生むのでないから」
こんな未来のことまでも仰せになるので、
恥ずかしい心がしまいには悲しくばかりなった。
🍂🎼沈む秋 written by のる🍂
#愛嬌 #大宰権帥 #藤原隆家 #刀伊の入寇 #女真族
#対馬 #藤原道隆 #高階貴子 #源氏物語
コメント